グリースの成分と構造

主な成分は基油(70~98%)、増ちょう剤(1~20%)、添加剤(0~10%)です。
(※割合はグリースにより異なる)

増ちょう剤は繊維状の高分子で網目構造を形成しています。
まるで、「ミクロの糸くず」のようなイメージ。この「ミクロの糸くず」の網目の隙間を埋めるように、基油が存在しています。

通常、潤滑油のような流動性はなく、ゲル状態を維持しています。
付加がかからない状態では、半固体状(ゲル状態)を維持しており、この時点ではあまり潤滑性がありません。そこに、一定以上の負荷がかかると、増ちょう剤の網目構造が崩れ、液状(ゾル状態)になり、潤滑性が増します。負荷が一定以下になると、元の半固体状に戻ります。この性質を利用して、潤滑剤として使用します。

注意:上のモデルはリチウム石けんグリースなどのしくみを模式的に示したものです。増ちょう剤にPTFEやウレアを使用したグリースやなど、しくみが異なるものもございます。

難しく書きましたが、水をふくんだスポンジを想像してみてください。
手でギュっと握ると水が流れ出ますが、その水の上に置くと、スポンジはまた水を吸収して、元に戻りますよね?
そんなイメージです。